ナツのある日、我が家のベランダ菜園にアゲハチョウがいらっしゃった。
 風の強い日で、わざわざ5階まで何をしに来たのだろう?
 と思っていたら、産卵だった。
 入院前にベランダ菜園へ自動水やりをするために機器を設置していて幼虫を発見。
 今年で3年目となるルー(ハーブの一種)の葉っぱを丸裸にする勢いだ。
 虫除けといわれているルーの葉っぱは決して美味しくはなかっただろう。
 そして、蛹になった。
 蛹になる時、アゲハの幼虫は色んな所へ移動して蛹になる場所を決めるらしくて、
 1匹しか見つけることができなかった。
 最後に幼虫になった子は、ベランダの極々を移動していて肝を冷やした。
 落ちるのではないか?という心配と、下に人がいたらどうしようという不安とでドキドキだった。
 青虫が空から落ちてくるとか、恐怖体験以外の何物でもないもの…
毎日、蛹をチェックするのが日課になっていたのだが、
 今朝、変な色に変色している蛹を見て焦った。ネットで調べたら、もう羽化後の殻とのこと。

なぁんだ。もういっちゃったか~
と、ルーティンであるベランダ菜園への水やりをしていたら、
 ベランダにアゲハが落ちていた。
羽化しっぱい…
内側の羽はくしゃくしゃ、外側の羽は一方方向に折れていた。
 バランスが悪いから、立ち上がることができなくて寝ている状態だった。
 羽化の時に見守ることができていたら、手伝えたのに…
 強風で煽られちゃったのかな…
 様子を見つつ、ベランダ菜園に捕まらせたけど、バランスが悪くて飛んでいってしまう。
 本当に残念だ(T_T)
 悲しい気持ちでしっぱいちゃんを見ていたら、
 アゲハチョウが飛んでいった!
 もう一匹が羽化成功で飛んでいった!
よかった…
 我が家、敵はいないけど風が強い。
 他の子たちはどうしているだろう…
 蛹を見つけることができていない。
プランター菜園のグループでもアゲハチョウの話題が多く見受けられる。
 大事な菜園の葉っぱを食べるから、駆除したり、見守ったりしているみたい。
しっぱいちゃんは、何度プランター菜園に戻しても飛んでいってしまうから、
 もう、戻さないことにした。
 家の中で生涯を見守る方もいらっしゃるみたいだけど、
 我が家に虫を入れるケースがないから、自然に任せる。しかない。
 このためにケースを買うのは違う気がした。
色んな思いが頭を駆け巡った。
 半年に1回の献血、ヘアドネーション、骨髄提供…
 私は、39への後悔や懺悔で自分の身体を切り刻んで平静を保っているのだけれど、
 もう、今回の骨髄提供を最後にしようって思っていた。
 400mlの自己血採取で10日くらいの体調不良。
 もう若くないんだ。って思い知らされた。
 骨髄提供後は、現在も体調不良、患部や別の場所の痛みは続く。歩行はちょっと困難。
 「もう、終わりにして」
と39に言われたような気がした。
 そして、今回のしっぱいちゃん。
 イノチが大事。わかっている。
 しっぱいちゃんの事が心配になっちゃう。
 イノチが気になってしまう。もう、この生き方は変えられないのだけれど…
 自分を切り刻むのではなくて、
 自分の得てきたものを誰かのために使ってみよう。
 何かをつなげるのに、自分を切り刻むのはやめよう。
39の分も、しっぱいちゃんの分も、私の身についたモノを誰かに伝えてみよう。
 そして、巡り巡って、未来の誰かの笑顔にしよう。
 今は、ちいさな一歩かもしれない。少しの前進かもしれない。
 それでも、何もしないよりは何かしてみよう。小さないっぽ。1PUSH!
やってみよう
…いってらっしゃい、エレン
*写真は、しっぱいちゃん。
   わすれたくない勇姿。

 

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