麗〜花萌ゆる8人の皇子たち
正直に言うと、最初は「麗しき皇子がたくさん出てくる時代劇」くらいの気持ちで観始めました。
『麗〜花萌ゆる8人の皇子たち』というタイトルも、どこか華やかで、少し軽やかな印象があったからです。
でも、数話進んだ頃から、その認識は静かに崩れていきました。
この作品は、決して“目の保養ドラマ”ではありません。
むしろ、観る側の感情を容赦なく削ってくる、重く、そして驚くほど美しい物語でした。
その中心にいたのが、IU演じるヘ・スです。
彼女の演技は、わかりやすく泣かせるものではありません。
それなのに、気づくと心に深く残っている。

いい意味で、裏切られました。
イケメン史劇だと思って観た人ほど、戸惑う理由
『麗』は、確かにイケメン揃いの史劇です。
だからこそ、軽い気持ちで再生ボタンを押した人も多いと思います。
akibird39もその一人でした。
ただ、数話が進むうちに、少しずつ違和感が生まれてきます。
この作品では、誰ひとりとして
「ただかっこいい存在」でいさせてもらえない。ということに…
優しさは簡単に守れず、
正しさは誰かを傷つけ、
愛はいつも立場や権力の前で試される。
ときめきを期待していたはずなのに、
気づけば感情の置き場に迷いながら観ている。
その戸惑いこそが、『麗』という物語の入口だったのだと思います。
イケメン史劇として語られることの多い作品ですが、
このドラマの本質は、そこにはありませんでした。
感情を叫ばないからこそ残る、IUの演技
正直に言うと、物語の序盤で感じたのは「うまさ」ではありませんでした。
むしろ、IUの演技は少し幼く、拙く見えたのです。
ラブコメのような空気の中で、周囲の皇子たちと比べると、
どこか浮いているようにも感じました。
でも、それは同時に“かわいさ”でもありました。
設定年齢の幼さなのか、現代的な感覚を引きずっているからなのか。
ヘ・ス(IU)はまだ、この世界に馴染みきれていない存在だったのだと思います。
転機は、ワン・ソ(イ・ジュンギ)と出会ってからでした。
彼と向き合う中で、ヘ・ス(IU)は「女の子」から「女性」へと変わっていきます。
それは物語の中だけでなく、IUの演技そのものにもはっきりと表れていました。
つらい経験を重ねるたびに、
感情を大きく表に出すことは減っていくのに、
そのぶん、まなざしや間、沈黙が強くなっていく。
泣いて訴えるのではなく、耐えることで感情を伝える演技へと
確かに変わっていったのです。
終盤、ジョン(ジス)とのシーンは本当に辛くて、
観ているこちらの気持ちも追いつかないほどでした。
それでも、どこか「ヘ・スらしい」と感じてしまう。
彼女は最後まで、誰かに依存する存在にはならなかったのだと思います。
ヘ・ス(IU)は救いの女神ではありません。
でも、彼女は確かに、
彼らの人生の“スイッチ”を押してしまった存在でした。
その後の選択が幸せだったかどうかは別として、
もう元には戻れないところへ。
だからこそ、この物語は重く、美しいのだと思います。

重い物語が大好きなのです
『麗〜花萌ゆる8人の皇子たち』は、
軽い気持ちで一気見できるドラマではありませんでした。
むしろ、観る側の気持ちが追いつかなくなる瞬間が、何度も訪れます。
だからこそ、
自分のペースで、立ち止まりながら観られる視聴環境が合っている作品だと思います。
巻き戻して表情を確かめたくなったり、
次の話に進む前に、少し気持ちを整えたくなったり。
そういう時間も含めて、この物語なのだと感じました。
IU演じるヘ・スは、
誰かを救い続けるヒロインではありません。
でも…確かに、彼らの人生の“スイッチ”を押してしまった存在でした。
その選択の先にあるものを、
私たちは最後まで見届けることになります。

重くて、美しくて、簡単には忘れられない。
もし今、少しだけ心に余白があるなら、
この作品とじっくり向き合ってみてほしいです。
実は、演者の皆さま…
色々熱い!方々ですので、そういう意味でもオススメですっ


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