祖国に見捨てられた少年が、
異国の軍人として祖国に戻ってくる。
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ミスター・サンシャイン
なぜ、見捨てられた国に戻ってきたのか
両親を殺され、行き場を失った少年ユジン( イ・ビョンホン )。
彼はアメリカへ渡り、米軍の大尉として朝鮮に戻ってきます。
自分を見捨てたはずの国に、なぜまた足を踏み入れるのか…
そこで出会うのが、エシン( キム・テリ )でした。
彼女もまた、外国で両親を亡くしています。
それでも朝鮮では名家の令嬢として、何不自由のない暮らしをしてきた人。
なのにその裏で、義兵として祖国のために命を懸けて戦っていた。
国に見捨てられ、異国の軍人として戻ってきた男。
何不自由ない生活を送りながら、自ら国のために命を差し出す女。
出会うはずのなかった二人の人生が交差していく様子に、序盤から胸をつかまれました。
戻ってきた者たちの、それぞれの道
印象的だったのが、かつてエシンに助けられた少年、ク・ドンメ( ユ・ヨンソク )の存在です。
彼もまた異国へ渡り、浪人として朝鮮に戻ってくる。
ユジンと似たような道をたどっていながら、選ぶ立場も生き方もまったく違う。
同じ「戻ってきた者」でも、抱えているものがこんなに違うのかと、二人を見比べながら考えさせられました。
エシンの許嫁、キム・ヒソン(ピョン・ヨハン)もまた、別の形で自分の生まれに疑問を抱きながら生きる若者のひとりです。
ロマンスというより、ヒューマンドラマ
このドラマ、ロマンス時代劇と紹介されることが多いのですが、観ていて強く感じたのはむしろヒューマンドラマとしての重さでした。
必死に守ろうとする人。
生きるために諦める人。
裏切りを選ばざるを得なかった人。
国とは何なのか。
何度も、そう問いかけられている気持ちになります。
戦時中の話なので、全体的に苦しい展開が続きますし、残虐なシーンも少なくありません。

観るたびに、今のこの世界を繋いでくれた先人たちのことを、
想わずにいられなくなります。
陽花という生き方
個人的にとても魅力的だったのが、ホテルの女主人・陽花(ヤンファ、キム・ミンジョン )です。
日本人の夫を持ち、その死後もホテルを切り盛りしながら
この時代をしたたかに生き抜いている女性。
和装も洋装も、どちらを纏っても華やかで目を引く。
でもその手は、銃を扱える。剣も上級者——しかもフェンシングで、これが妙に美しい。
父が国を捨てたと言われ、日本人に嫁いだ理由も、きっと自分では選んでいない。
それだけのものを背負いながら、人を大切にする。
ダークすぎる背景と、あの華やかさが、同じひとりの人間の中に収まっている。
陽花というキャラクターが、忘れられません。

このドラマ、語りたい人物が多すぎる。
全員に背景があって、なぜそう生きるのかが見えるから、
誰ひとり「ただの脇役」で終わらない…
ク・ドンメという剣
このドラマの攻撃シーンは、全体的にとても迫力があります。
エシンの狙撃シーンは見応え抜群で、画面から目が離せない。
その中でも特に忘れられないのが、ク・ドンメの太刀を振るう姿です。
苦しいほどの狂気と、研ぎ澄まされた剣。
ユ・ヨンソクさんは、普段はほんわかした雰囲気の方なんです。
そのギャップもあって、あの狂気がより一層刺さりました。
韓国の俳優が日本の浪人役を演じる——それだけでも並大抵のことじゃない。
本当にリスペクトしかありません。
主役のイ・ビョンホンさんはもちろん実力派ですが、周りを固める俳優陣の誰も霞まない。
それ自体が、イ・ビョンホンという俳優の凄さなのかもしれないけれど…

空気のように画面に入り込んでくる。主張しすぎないのに、
気づいたら目で追ってしまっている。
そういう俳優さんって、本当にすごいと思うんです。
魅力的な若者たちが、時代に翻弄されながら
このドラマを観ていて一番心を打たれるのは、とにかく魅力的な若者たちが、自分ではどうにもできない時代に翻弄されながらも、必死に生きようとする姿です。
生まれた場所も、選んだ道も違う人たちが、同じ時代の中でそれぞれの答えを探している。
その必死さが、画面の向こうからまっすぐに伝わってきます。
祖国を捨てた少年が、祖国のために銃を握るまでの物語。
その先に何が待っているのか、まだ観ていない人には、ぜひ自分の目で確かめてほしいです。

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